九寸名古屋帯の長さを下画像のような尺度で測っておられる方に読んでいただきたい記事です。
帯の長さを たれ丈(たれ先~たれ境までの長さ)と手丈(たれ境~手先までの長さ)で測って考える手法です。
このような測り方は、稀に事故の原因になりますので弊社や取引先間では一切していません。
たれ丈、手丈という単語も私はお客様から聞いて初めて知りました。
事故の例
仕立ての位置が狂ったせいで着用時にお太鼓の柄がちゃんと出せなくなった帯です。
お太鼓の柄をちゃんと出そうにも垂れ境の縫い止めが邪魔で帯枕が入りません。
拡大写真。分かりやすいように垂れ境に赤い糸で印をしています。
事故の原因
垂れ境を適切な位置で仕立ててないから こうなります。
垂れ境の位置は、本当はお太鼓の柄からの長さで割り出すべきなので、
たれ丈(たれ先からの長さ)で割り出している仕立て屋さんでは、ちょくちょくこういう事故が起きます。
たれ丈ではなく、お太鼓の柄からの長さ(上図のA)が重要。
何故なら、お太鼓の柄の位置は帯によって違うからです。
もう一つの原因として、昔の人間に比べて、今の人間は身長が高くなってますから それに応じてお太鼓も大きく結ぶように変わってきている事もあります。
対して、たれ丈から測って仕立てるタイプの仕立て屋さんは、昔ながらの寸法で仕立てておられるところが多く、それも事故の原因となってます。
事故といっても、ちょっと縫い直せば簡単に治せますので過度に恐れる必要はないですけどね
弊社からのお願い。
たれ丈とか、手丈とかいう言葉は忘れてください。
この測り方が間違ってるとはいいませんが、事故の原因になります。
確実なのは、このようにとらえる方法です。数字は帯メーカー向けのものなので気にしないでください。
たれ境はAの長さで考えます。(繰り返しになりますが、この記事の言いたい事はコレなので)
※弊社にお仕立てを依頼される場合は、ちゃんとAの長さを考えて仕立てますので垂れ境の位置を指定していただく必要はありません。
まとめ
- たれ丈、手丈という言葉は忘れてください。
このページに書いた事は、以前から別なページでもチラっとふれてたのですが、
WEB担当者から「お客様に説明をするのに あれでは意味が分からない」と言われ、再度、詳しく書きました。
でも、分かりやすくかけてる自信はないッス・・・