例えば、帯の丸洗い。
こんなんだったりします。
帯の中に入っている「帯芯」というものの写真なんですけど、古い帯の場合、人によっては臭いで気分が悪くなるぐらいに腐敗している事があります。
写真はまだマシな方で、もっともっと酷いものも・・・
ゾッとしませんか?
丸洗いのメリットは安さですが、ここまで汚れてしまっているものには、ほぼ何の効果もありません。
ですので、私は、「古い帯を綺麗にしたい」という方には、丸洗いよりも帯芯の交換を激しくオススメしたいです。
例えば、古い帯で全体が汚れてたりカビだらけの時の染み抜きや染め替え。
上図は、袋帯もしくは京袋帯を形作っている部品です。
表の生地と裏の生地が縫い合わされて帯となり、帯の中に帯芯を入れて仕立てられます。
(帯芯がない帯もあります)
赤く塗られているところは、新しい部品に交換しても着用した際の見た目が変わらない部分です。
生地面積で計算すると75%が交換可能という事です。
※裏の生地は着用時に「お太鼓の裏側」として見えてしまいますが、新しく用意する生地の色を合わせておけば大きな影響はありません。
綺麗にしたいだけなら新品に交換した方が早くないですか?
どんなに頑張って洗ったり、しみ抜きしたり、染替えたりしても清潔さでは新品にはかないません。
生地の弱りや痛みも直りません。
また、清潔さだけでなく、昔の無駄に重い帯芯(昔、帯は重ければ重いほど価値があるとされていました)や
ガビガビで柔軟性を失っている裏地を新しくする事によって、使いやすさも向上します。
丸洗いや洗い張り、染め替えなどを否定するつもりは全くないですが、(弊社でも承っておりますので)
古い帯を綺麗にしたい時には別な選択肢もあるってことを知ってほしくて、この記事を書きました。
帯芯や裏地を交換する場合の料金など。
詳しくは、上のページの最後の方に記載があります。
正絹の帯の裏地を新しくするとビックリな価格になると思われる方も多いと思いますが、実際はそうでもない(安くはないけど 染め替えに比べれば かなり安い)のでお気軽にご相談ください。
どうしても何とかしたい大事な帯があったら考えてみてね~