全通の帯から仕立て直す場合は説明不要なのですが、中無地がある六通柄の袋帯の場合は 半幅帯に仕立て直した後も中無地部分が残ります。

袋帯などの場合、帯の結び方が「お太鼓結び」とほぼ決まっていますので、それを計算して中無地が出ないように作られていますが、
半幅帯には、色々な結び方がありますので事情が異なってきます。

最近、使わなくなった袋帯を半幅帯に仕立て直して活用したいというご依頼が増えていますので、
この記事は、そういった方々に向けて中無地の部分があると 実際に使う場合にどういう事になるのかを写真を使って分かりやすく説明しようという記事です。

袋帯をリメイクした場合のお話です。九寸名古屋帯や京袋帯の場合は話が異なりますので、ページ最後の注意事項をご覧ください。

ごんちん

全宇宙で最もマニアックな記事かもしれん

「六通」や「中無地」という言葉の意味については下の記事をご参照ください。

では、この帯を使って説明していきます。

中無地のある半幅帯
通常の半幅帯に無地の生地を縫い付けて 疑似的に中無地を作りました。

まず極めて一般的なリボン結び

中無地の影響実験-リボン結びの場合
問題なし

中無地の位置を意識せず、いつもどおりの感覚で結んでみましたが特に問題なし。

カルタ結び

中無地の影響実験-かるた結びの場合
問題なし


結び方はこちら。

ちょっと変わった変形リボン結び

中無地の影響実験-変わりリボン結びの場合
問題なし


結び方はこちら。

最後にダブルリボン結び

中無地の影響実験-ダブルリボン結びの場合
問題あり

右側のリボンの結び目のところに中無地が出てしまっています。


結び方はこちら。

角帯について

同じように六通の袋帯から角帯を作った場合についてですが、
男性の帯結びの大半を占める貝ノ口と片ばさみにおいて何の問題もありません。


結び方はこちら。

まとめ

ほぼ問題ありませんが、ダブルリボンなどのヒネくれた結び方をする場合は中無地が表に出てしまう事もあるようです。
でも、ちょっとだけ表に出ても支障のない色合いの中無地だったら可という感じです。

注意点1

この記事は、袋帯を半幅帯にリメイクした場合のお話です。
一重太鼓の六通柄の帯(九寸名古屋帯や京袋帯)をリメイクした場合は事情が異なります。

中無地の影響実験-一重太鼓の帯をリメイクしたの場合
一重太鼓の六通帯をリメイクした場合。中無地が大きく出てしまってます。

なぜ、こんなに差が出るかといいますと、
袋帯は半幅帯よりも長さが長いので、袋帯を半幅帯にリメイクする場合は、中無地部分を切断して仕立てます。
ですので、中無地部分が短く出来上がります。

しかし、九寸名古屋帯や京袋帯は、半幅帯と長さが同じぐらいですので、中無地を短く出来ません。
ですので、中無地部分は長くなります。

注意点2

帯や着用する方の寸法によっても事情は異なります。

例えば、袋帯の手先の柄は、結んだときにお太鼓の両側に柄が出る長さで作られるのが一般的ですが、
片側しか柄が出ない帯もたくさんあります。(不良品ではありません)

以上、「言葉だけでは分かりにくい」と初めて言われてから10年以上が経過した気がしますが、
やっとこさ、写真を使ってまとめました。

ごんちん

でも、初めて言ってきた方、定年退職しちゃってるけど・・・