あまり使わなくなっている袋帯を九寸名古屋帯に仕立て直し(リメイク、リフォーム)して使いやすくしたいという方へ
袋帯を一重太鼓の帯に仕立て直したいと思った時、多くの方が九寸名古屋帯にされることを選ばれます。
でも、ちょっと待ってください。
「京袋帯という選択肢」があるのをご存知でしょうか?
という感じで、この記事は京袋帯へのリメイクをオススメする記事です。
京袋帯とは
袋帯と構造は全く同じですが、長さが短い帯です。
袋帯は二重太鼓で結ぶように作られているのに対して、京袋帯は一重太鼓で結びます。
袋帯と製造コストはさほど変わらないのに 販売価格が安くなってしまうことからメーカーには嫌われていましたが、
最近は、そんな事も言ってられないご時世になり、老舗の帯メーカーも京袋帯を作り始めています。
詳しくはこちら。
私が京袋帯への仕立て直しをおすすめする理由。
安い
袋帯を九寸名古屋帯に仕立て直す場合、一度、全ての縫製を解かねばならないのですが、
京袋帯に仕立て直す場合は、端を切って、切った部分だけを縫製すれば済みますので、かなり安くなります。
実際の料金については、こちらをご覧ください。
短納期
工程が少ないので、通常のお仕立てよりも早くお届けできます。
「九寸名古屋帯の開き仕立て」と「京袋帯」は構造上、大して違いはない。
そのわりに下記のデメリットがあります。
- 裏をつけない開き仕立ては仕立て上がりが不恰好、もしくは不可の場合が多い
- 裏をつける開き仕立ては、着付ける時に裏のモスリン(表地に比べてやわらかいので)などがブワっと出てきやすい。
解説
下の図は、通常の開き名古屋仕立てを裏から見た図です。
額縁のようになっている事から額縁仕立てとも呼ばれます。
次に、袋帯を無理やり開き名古屋仕立てにした時のありがちな図です。
上手の赤丸部分を見てください。すごく狭くなっています。全然、額縁じゃありません。
九寸名古屋帯は、仕立てをする巾よりも、生地を広く織ってある場合がほとんどなのですが、
袋帯はそうではなく、酷いものになると縫い代が1ミリしかなかったりするからです。
(不良品というわけではありません)
あえて九寸名古屋帯にするメリットもなくはないです。
胴まわり部分が軽くなります。日々、着物を着られてる方にとっては軽視できない要素かもしれません。
まとめ
袋帯を一重太鼓の帯に仕立て直したい方には、京袋帯が断然おすすめです。
毎回、お客様に説明するのが大変なので記事にしてくれと言われて記事にしました