この二つの帯は、最も違いが分かりにくく、最も間違われている帯です。
でも、この記事を読んだら間違わなくなるニャ
九寸名古屋帯とは? 八寸袋名古屋帯とは?
このページは、二つの帯の違う点や その見分け方の説明ページですので、
それぞれの帯について知りたい方は下記ページをご覧ください。
九寸名古屋帯と八寸袋名古屋帯の違いや見分け方
反物状態(仕立て前)の帯巾が違う
九寸名古屋帯の仕立て前の帯の幅は、35㎝前後。
クジラ尺で約9寸である事から九寸名古屋帯と呼ばれます。
八寸袋名古屋帯の仕立て前の帯の幅は、30㎝前後。
クジラ尺で約8寸である事から八寸袋名古屋帯と呼ばれます。
これが一番信頼おける見分け方だよ
帯の幅が違うので仕立て方が違う
上図のように、九寸名古屋帯は、元々は広めに織ってある生地を、端を折る事によって、着用者の体系に合わせた巾に仕立てます。
八寸名古屋帯は、生地の巾そのままで仕立てます。
つまり、折って仕立てる分、元から広い生地巾なのが九寸名古屋帯で、
そのままの巾で仕立てる分、元から狭い巾なのが八寸袋名古屋帯です。
仕立て上がりの九寸名古屋帯を裏側から見た写真。
赤矢印のところの凹凸が、帯の幅を合わせるために中に折り込んだ部分です。
九寸名古屋帯は、着用者の身長などに合わせて、仕立て上がりの帯の幅を調整できます。
八寸袋名古屋帯は出来ません。
九寸名古屋帯を仕立てる前に是非一度読んでおいて欲しい記事。
生地の厚みが違う
九寸名古屋帯は、ペラペラの生地が多いです。
帯芯を入れて仕立てるように作られているからです。
八寸袋名古屋帯は、厚めの生地が多いです。
帯芯を入れずに仕立てるように作られています。
特に呉服店の店員さんは、九寸名古屋帯と八寸名古屋帯の見分けがつかないと、
お客さんに帯芯を買ってもらわねばいけないのか否かが判断できないので ちゃんと違いを知っておく必要があります。
困った事にたまに例外があります。
TOP画像で使っていた この九寸名古屋帯がその例外です。
めったにないタイプなのですが、会社の倉庫で発見したので ひっぱり出してきました。
生地が分厚いので 帯芯を入れると硬すぎて締めづらくなります。
仕立て方のスタンダードが違う
九寸名古屋帯は「名古屋仕立て」が定番。
八寸袋名古屋帯は「松葉仕立て」が定番です。
お店によっては、何も言わずに帯の仕立てを頼むと自動的に上記の仕立て方になります。
定番は単に定番というだけなので気にする必要はありません。
自分の目的にあった仕立て方を選択してください。
松葉仕立てや、名古屋仕立てについて詳しく知りたい方は、こちら。
まとめ
仕立てる前の生地の幅で見分けるのが一番確実。
仕立て上がった帯でも端が折り込まれてるかどうかみれば分かります。
でも1件だけ九州の帯メーカーで八寸袋名古屋を九寸名古屋だと言い張るオッチャンがいるんだよね
どうみてもあらゆる意味で八寸帯なんだけど、作ってる人間が「俺が作ってるのは九寸だ」と言い張るんだから それは九寸帯なのかもしれない