紗(しゃ)、絽(ろ)、羅(ら)って何が違うの?

正確な定義は織り方を基準に行うべきですが、ここではマニアックな職人世界ではなく、日常会話で有用な一般的認識を説明したいと思います。

紗とは

紗とは

網目が細かい。

絽とは

絽とは

網目じゃない部分と、網目部分が同居

羅とは

羅

網目がデカイ。スケスケ。

これら夏の透ける帯を仕立てる場合のポイントや注意点。

ごんちん

帯の仕立屋なんで 仕立てからの視点でウンチクたれます

カラー帯芯が効果的に使えます。

カラー帯芯とは、色のついた帯芯の事です。
通常の帯芯は白です。

絽も紗も羅も透ける素材(帯の中が見える素材)ですので、
帯の中に入れるカラー帯芯の色によって、全く別な帯に仕立てあがります。

別に普通の白い芯でも良いのですが、同系色を入れてみるとか、黒を入れてみるとか出来ます。

多くの呉服店や仕立て屋さんでは、何も言わないと白い帯芯が自動的に入る場合が多いので、
希望される方は「同系色のカラー帯芯でお願いします」という感じで伝えてください。

どんな感じの色があるかは、弊社のSHOPサイトをご参照ください。
(会社によって だいぶ違いますけど)

絽や紗の帯だからと言って夏用の帯芯を使わなければならないわけではありません。

実際、多くの呉服店は普通の綿芯を入れて仕立てています。
普通の綿芯だからといって、見た目が損なわれる事はありません。

ごんちん

でも、僕はせっかくなので選択肢として夏芯もご提案しています

八寸袋名古屋帯の場合、トンネル仕立てという選択肢があります。

お太鼓の脇をあえて縫わずにヒラヒラさせて涼し気に見せる仕立て方です。
詳しくは下記記事をご参照ください。

八寸帯を夏かがり(トンネルかがり)にすると二重太鼓に見える?

リバーシブル帯の場合は一考

紗や絽の帯でなくともリバーシブル帯は、帯芯をつけてない側の脇の縫い代が浮き出てしまうので、
どちらをメインに使うのかを決めて仕立てた方が良いのですが、
夏の帯でリバーシブルの場合は、浮き出るどころか丸見えですので帯によっては、けっこう格好悪くなります。

九寸名古屋帯の縫い代の型
浮き出た縫い代

何も言わない場合、ほとんどのお店(たぶん99%)では、帯メーカーがメインと決めてる方に帯芯をつけて仕立てます。

この記事を書いてたら後ろから話しかけてきた部長の一言

絽と羅のネクタイを持つ男

部長曰く

自分自身は涼しくないけど、涼しげに見えるという事で好評だったそうで。

ごんちん

だから何やねん