唐織の帯は、すぐ糸が浮く
唐織の帯は、見た目は素敵なんですけど、すぐ糸が浮くので使い勝手は悪いです。
そんな使い勝手の悪いものを あえて使うところが「唐織の帯は贅沢品」といわれる所以です。
店頭での試着時どころか、指の【ささくれ】に引っかかっただけでも、すぐ浮きます。その代わりにボリューム感ある豪華さを持つのが唐織の魅力です。
しかし、ちょっとした糸浮き程度は、自分で簡単に直す事が出来ますので、恐れずに着用してくださいね。
直し方① 最も楽な直し方|ほつれのん
針の頭が、ザラザラになっていて糸を引っ掛けられるようになっています。かなりの優れものです。
大半の帯が、これで簡単に直せますが、本来の用途が帯ではない為、組織が非常にキメ細かい帯には使わないでください。
具体的な使い方は、ほつれのんメーカーHPで。
直し方② 針に通した糸を輪にして、それに引っ掛けて、浮いた糸を帯の中に入れる
糸浮き直しの方法というよりは、縫製作業などの際にフツーに使われる小技です。少し慣れが必要ですが難しいものではありません。
輪を結んでしまうと、結び目が生地を通りませんので結ばず使用します。
直し方③ 業者に頼む
プロに頼めば綺麗に直って帰ってきます。しかし、手間暇かかる作業なので場合によってはビックリする程に高くつきます。見積もりをお願いしてから出しましょう。
糸浮きしやすさを緩和する加工
糸浮きを完全に防止する方法はありません。以下は、緩和策です。
①関西仕立て
浮糸を使っていない界切線より下の部分で仕立てる事で帯端の糸浮きを軽減できます。
②毛伏せ加工
糸浮きしにくくなる反面、風合いが損なわれ、唐織の良さが減ってしまいます。絵に描いたようなトレードオフの関係なので、好みで。