この程度は変わります。
この技は、「役に立つ帯」と「全く役に立たない帯」がありますし、
ほんのちょっとのこだわりを注入する程度の事なんですが、
例えば、思い切って買った大事な帯の場合、やっぱり知っておかないと もったいないなというものです。
帯の仕立てを頼む時に たれの位置(端っこになる部分)は指定できるのです。
要約すると それだけの話だけど、
ぼちぼち面白い効果があるから読んでいってね
帯の「たれ」とは
上写真の赤丸の部分がタレです。
たれって、メインではないけど見た目への影響は大きいですよね。
この技の活用例
この帯を例に解説していきます。
この帯を通常どおりに仕立てると、お太鼓とタレは こんな感じです。
【活用例1】タレ無地で仕立てる
あえて本来の仕立て位置ではなく、無地場をタレにして仕立てるとこういう感じになります。
柄は気に入ってるんだけど「くどすぎるなぁ~」「うるさすぎるな」と思う帯の場合におすすめです。
稀に たれと太鼓の柄を合わせるのが面倒なので たれ無地にしたいという方もいる
【活用例2】タレは柄だけど、別な位置で仕立てる
最初の写真(通常どおりの仕立て)よりも地味目なところをタレにしています。
この帯の場合、普通に仕立てますとタレの赤い花が最も目立つ感じになり、お太鼓全体を見た場合、バランスが下の方になってしまいます。
しかし、タレの位置を変えて仕立てるだけで かなり印象が変わりました。
ほとんどの帯は、仕立てる位置が決まっていますので、
希望を伝えない場合は、その位置で仕立て屋さんが仕立てます。
私も何かしらの特別な事情がない限りは、希望を伺う事はしません。
何故なら、ここまでマニアックなレベルまで希望を伺ってしまうと多くの方にとっては、有難迷惑になるからです。
たれの仕立て位置を通常とは違う位置にする際の注意点
帯メーカー推奨の位置から、あまりに大きく動かすと、お太鼓との関係がおかしくなったり、帯丈が不足したり、九寸名古屋帯の場合は裏地の長さが足りなくなったりする場合があります。
通常に仕立てるとタレが柄になる袋帯や京袋帯を あえてタレ無地で仕立てたい場合の可否は下図のようになります。
通常は「界切線」と書かれている位置で仕立てます。
あえてタレ無地で仕立てる場合は、上図の「タレ無地にする部分」にタレとして使える充分な長さ(10㎝ほど)が必要です。
それに加えて、仕立てるには縫い代が必要なので、縫い代分の長さ(5~10㎝。縫い方、仕立て方による)が必要です。
他のパターンの場合。
どこまで動かせるかを一概に説明するのは難しいのですが、店員さんに相談してみてください。
店員さんも分からない場合は(こんなマニアックな事を気にして生きているのは帯の仕立て屋ぐらいです。店員さんが悪いわけではありません)以下の方法を取ってみてください。
具体的な依頼の手順
- 仕立てて欲しい場所に糸印をする。
- 着用者の寸法を添付して「可能であれば糸印で仕立ててください、無理ならフツーに仕立ててください」と仕立て屋さんに伝わるようにする。
以上です。
シールで印をするのは危険です。
理由は、運送中や包装から取り出す時にズレるからです。
特に丸くて小さいシールを使うのは自殺行為です。
帯の仕立ては、帯端を切る場合が多いので印のズレは致命傷になります。
最後にちょっと脅かしちゃったけど
難しく考えずに 気軽にお店の人や仕立て屋さんに聞いてみてね~
譲り受け戴いた、タレ無地の帯を不思議に思い、自分で仕立て直すべきなのかと、調べておりました。
タレ無地仕立てになっているのなら、それはそれでオッケーなのですね。
早速使えるのだとわかり、安心しました。
お役に立てて嬉しいです~