帯留コーディネート

着物を着る時、帯留にも挑戦してみたいな。
でもなんか着物って決まり事が多いから難しそう。
帯留って好きなのつけてもいいの?

そんな帯留の知りたいことを詰め込みました☆

初心者向け帯留の付け方や位置

帯留をつけるときには、

帯留を金具に通す
最初に帯締めに帯留を通します。

帯締めを結ぶ
いつも通り帯締めを結びます。

ただし後で後ろに回すので、帯締めは中央でなくて構いません。

小さく結ぶ
結び目は後で背中の帯の結び(お太鼓など)の下に隠すので、

片輪むすびやリボン結びをして小さくまとめておきます。

帯の下へ回していく
結び目をくるっと背中側に回して、結び目の下(お太鼓などの帯結びの下)に隠します。

くるりと帯の中へ隠す
外から見えないようにどんどんお太鼓の中へ、結び目を移動させていきます。

お太鼓の中心あたりまで結び目を移動させたらOKです。

回す時に、帯留の金具で帯を傷つけてしまわないように気を付けてください。

帯留はテーブルなどにぶつけやすいので、壊れやすい素材の帯留をつけているときには慎重さが必要です。

お太鼓後ろから
結び目をお太鼓の中に隠せたら、

帯留整える
前の帯留を整えます。

完成です☆

帯留がしゅーっと横にすべって困る人へ贈る対策法。

よし!帯留もつけて完全コーデができた♪

なんて喜んでいたら、帯留が横にすべって行って行方不明になったりすることありませんか?

紐が細すぎたり、帯留の金具が大きすぎたりして横滑りすることがあります。

ここで、みつやまの粋(すい)を集めた帯留すべり防止対策を披露しますヾ(●´∀`●)

基本はしっかり帯留がすべらないように、帯紐をきっちり丁寧に結ぶこと。

ただし、帯紐がきつすぎたら帯にしわがよってしまいますので調節が難しいです。

それでも滑っていくという方には、とっておきの方法を伝授します。

結ぶ!

帯留すべるときの対策一重くくり
帯締めに帯留の金具を通した後、一回結んで一重くくりにします。

結ぶと帯留をしたときに結び目がごろっとすることと、帯留が斜めになってしまうのが難点。

上下左右など関係ない帯留対策におすすめ。

何も道具もいりません。

クリップ付帯留を使う!

帯留すべるときの対策ぱっちん金具
→金具を帯留用の金具ではなく、クリップ状の挟めるぱっちん金具にすれば滑っていく心配もなし。

帯締めを結んだあとにもつけられるので、金具付帯留があれば、これが一番便利かも。

帯留金具の中央に金具などを挟む!

帯留すべるときの対策中央金具挟み
帯留の金具部分の帯締めを通す穴の中央部分に、穴を通らない大きさの金具などをつけます。

「中央金具挟み」です。

これなら既製品の帯留にも使えて、結ぶ方法とは違い結び目がごろごろすることもありません。

どうぞお試しください。

金具で手作り帯留。ハンドメイドで楽しむ帯留。

帯留の飾りになるモチーフは、結論から申し上げれば「なんでもあり」です。

陶器、べっ甲、象牙、切子、トンボ玉、ガラス、木彫り、珊瑚、彫金、宝石・・・などなど。

なんでも帯留になるので、これでないといけないとかはありません。

自分の好きな素材やデザインを選びましょう。

ブローチや箸置き、レジンで作ったアクセ、つまみ細工などなんでもOK。

帯留金具

帯留金具ハンドメイド用
帯留用の金具がハンドメイド雑貨取扱いのお店にあります。

ボンドなどでつければ簡単に自分の大好きなモチーフの帯留が出来上がります。

ただ、自分で作成する場合には金具をしっかりつけないと、ぽろっと取れてしまったなどのハプニングが起こります。

また箸置きは裏が反っているものもあるので、そういった箸置きは金具をつけにくいかもしれません。

雨のしずく柄の帯に、かわいらしいポップな傘の帯留を合わせたコーディネートをみましたが、とっても素敵でした。

ハンドメイドで作るつまみ細工の帯留の作り方はこちらから。

そもそも帯留とは何?

帯のアクセサリー。

今でこそなんでもありな感じの着物コーディネイトですが、もともとは基本アクセサリーはNGです。

その装いの中で唯一認められているアクセサリーが、帯周りのアクセサリーです。

帯留、帯飾りがあります。

帯留以外の帯のアクセサリーは、帯の上端に挟んだり、ぶら下がりタイプなど。

普通のネックレスをアレンジして飾っておしゃれを楽しむ方もいます。

着物は洋服と違って、コーディネイトが限られます。

和装といえば、着物、帯、半襟、帯締め、帯揚げ、足袋、草履とほぼスタイルが決まっています。

その中でちょっと変化をつけたい場合、ワンポイントで帯留を使うとアクセントになってコーディネートの幅を広げることができます。

帯留の歴史

げいこさん後姿

最初に帯留が出現したのが、江戸時代後期。

今から約210年ほど前。

最初は今ある帯締めの形とは違っていました。

帯紐に通すのではなく、帯紐をベルトのようにしめ帯留部分はバックルのようなものでした。

しかも帯留は女性が使うものではなく、男性が使っていました。

男性から徐々に女性にも広がり、使用されるようになりました。

明治の始めに廃刀令によって、不要になった刀装具を転用する形で帯留の使用が流行りました。

今の完全なアクセサリーという位置づけに変わったのは、明治の半ばあたりからです。(西暦でいうと1900年前あたり)

西洋の文化が入ってきてからは、上流社会では華やかな西洋のアクセサリーに対抗できる和装アクセサリーとして、宝石を使用した帯留が流行りました。

宮内庁筋からもフォーマルなパーティなどでは、「着物の礼装のときは帯留や指輪に宝石を」を通達が出たこともあります。

現在ではおしゃれ着に付けるアクセサリーとして定着しています。

帯留の保管方法

ネックレスやリングなどのアクセサリーと同じ扱いで保管します。

帯留は精巧な細工やぶら下がった飾りなど、宝石を用いたデリケートなものが多いです。

象牙やべっ甲などを用いているものは、扱いを誤ると虫がついたり変色したりします。

着用後は、必ずやわらかい布等で汚れやほこりを拭って下さい。

象牙やべっ甲の帯留は、桐箱などに収納して防虫・防カビ対策をした方が安心です。

象牙やべっ甲は極端な乾燥を嫌うので、乾燥にも気をつけます。べっ甲は特に熱にも弱い材質です。

収納時は帯留同士がこすれて傷つかないように、仕切りのあるアクセサリーボックスにしまう方がよいと思います。

帯留で季節感を出す

バラ

着物は季節感を大事にする装いです。

季節のモチーフを使う場合は、季節をちょっと先取りするのがポイント。

例えば、桜を使うのであれば桜が咲く前~満開になるまでに使うのが粋。

桜が散った後に使うのは無粋になります。

モチーフによっては季節問わず通年使える帯留もあります。

また、着物の世界では涼を呼ぶ為に夏に真逆の季節の冬のモチーフをつけることがあります。

粋の世界は奥深いですね。

帯留で雰囲気が変わる。おしゃれの仕方。着物だけじゃなく浴衣にも。

帯留の作り方・結び方・付け方

帯留は、着物や帯の柄と絡めてモチーフを考えると楽しいです。

今の時期であれば、月柄の帯に蝙蝠やカボチャの帯留でハロウィンっぽくしてみたり。

夏であればガラスの帯留が涼やかでいいですよね。

帯留はあくまでもファッションなので、自分の好きなように配置して帯や帯締め、着物とコーディネートしてみて下さい。

浴衣で帯留をつけてもいいの?って疑問に思う方もいらっしゃいますが、アクセサリーなのでもちろん浴衣につけて楽しむこともできます。

自分なりの物語を作っていくのが楽しいですよ。

帯留のTPOが知りたい。どんな場所でもOK?フォーマルの場でも大丈夫?

帯留は基本的にはカジュアルの装いで使います。

観劇や同窓会、お友達との集まりなどたいていどんな場所につけて行って問題ありません。

ただNGとされている場合もあります。

お茶会と礼装(結婚式などの場)です。

お茶会と言ってもアフタヌーンティではなく茶道の方。

茶道具を傷つけないためと、茶道具の美しさを楽しむためという理由があります。

礼装は、ゲストとしての訪問着や振袖にパールや宝石などの格が高いとされる高級品や象牙や蒔絵の凝った細工等はOKとされています。吉祥文様を表したモチーフは、お祝いの席にふさわしく喜ばれます。

礼装で帯留をする場合は、三部紐だと細すぎて貧相に見えてしまうので、太めの帯締めにし、それに合った帯留をセレクトしましょう。

しかし、ゲスト側ではなく親族側として留袖・訪問着に付けるのはNGです。

帯留をつけても大丈夫かどうかは、親族の詳しい方に伺うのが一番確かです。

それからNGというわけではないのですが、羽織を羽織る場合は羽織紐との兼ね合いも考える必要が出てきます。

帯留を使うときの帯締め

三部紐

一般的に、帯留を通すときには帯締めは、三部紐(幅が約9mmと狭めのの平組みの細いタイプの帯紐)を通して使います。

帯留用の帯締めなので、お太鼓に結び目を隠すという前提で短めに作られています。

あまり帯締めが太いと、帯留の金具が通りません。

金具に通るようなら、三部紐よりも太くても問題ありません。

帯留購入時の注意点。

昔のアンティーク帯留は、金具の紐を通す穴が小さかったりするので購入時には注意が必要です。

自分の持っている帯紐の大きさを考えながら選んでください。

細い穴を通る帯紐がなかったら、思い切って1本帯紐を増やしていしまうとまたコーデの幅が広がるかも。

帯留を使ったことがない方も、帯留ワールドにぜひ飛び込んでみてください(*^_^*)☆