帯の仕立て代 料金

仕立て代=仕立ての質+商品管理と責任能力

縫わなければ、そりゃ安い

最も手抜きされるのは見えない部分

袋帯の芯入れ本仕立てにおいては帯芯の縫製にあたります。

 

最も手抜きな仕立て

縫っていません。帯芯を縫製せずに帯の中を通してあるだけというものがあります。

 

2番目に手抜きな仕立て

縫っていません。でも、帯芯の両端だけ止めてあります。

 

3番目に手抜きな仕立て

着物を羽縫いするミシンで仮縫いしてあります。1カ所でもほつれるとそこから全てほつれます。

 

4番目に手抜きな仕立て

普通は数センチ刻みで縫うものを数十センチ刻みで縫ってあります。

 

上記は帯仕立ての歴史そのもの

どこかの仕立て屋さんが手抜きを思いついて値段を下げて仕事を取りに行く。別の仕立て屋さんが、別の手抜きを思いついて値段を下げて・・・

 

理想の仕立て

帯芯がキチンと帯に添うように手で、数センチ刻みで、丁寧に、縫いつけられている仕立ては、上述の仕立て方に比べてコストがかかります。売り手と買い手の情報格差が激しい市場では、品質が売りとして成立しにくいのが悲しいところです。
業界最安値の仕立て相場を知りたい方は、こちら。

 

商品管理と責任能力の大小

企業毎の商品管理のレベルやトラブル対応、アフターフォロー

分かりやすい例では、輸送や加工中の事故で帯がダメになってしまった場合、大手販売店さんなどであれば、そのネットワークを生かして、全く同じ商品を探し出して交換出来る場合もあります。

また、そのような時に備えて保険もかけているところもあります。(加工や輸送時の事故保険は、結構高い)
逆に個人規模のところでは、事故品が数百万の帯だった場合、弁償する責任能力はありません。

 

「ほな、後は頼んます」

失敗して帯を痛めてしまった補正屋さん(汚れを落としたりする業種)の名言です。「ほな、後は頼んます」とあまりに爽やかに去っていったので未だに記憶に残っています。

 

人間をやめた補正屋

 

 

帯の種類別 ありがちな手抜きポイント

袋帯

帯芯の縫製

これがキチンとされているかどうかで、複数回着用した場合に大きな差が出てきます。
経験のある方も大勢おられると思いますが、いい加減な縫製の場合、使っているうちに帯芯が外れて、中でシワになったりします。

 

地直し、地詰めの有無

一度も着用していないのに、タンスにしまっているうちに帯が縮んでいたという経験はないでしょうか?
地詰めをせずに縫製された帯の何割かは、こういった事故に繋がります。
横段(横向けのシマシマ系の柄)が歪んでいて不快に思った事はないでしょうか?
これは、縫製前に生地を整えていない事が原因の場合が多いです。

 

帯幅の誤差

どれだけ等間隔で縫えるかが、縫い子の上手い下手です。
金属ではありませんので、完全に等間隔で縫える事はありませんが、見るからにガサツな縫製のものが市場を席巻しています。
預かった帯をいきなり【ミシンに放り込む】→【ペダルをフルスロットル】→【1分で縫製完了】です。
帯幅がガタガタなだけでなく、表の生地と裏の生地の対比も悪いので、時間経過とともに裏地がシワシワになったりもします。

 

帯の端の折込み

実は、帯の仕立てで一番難しいと言われる工程であり、私は、難易度の高い折り紙という表現をしています。
難しいので、多くの仕立て屋では、折りこまずに、短く切ってしまいます。
お持ちの帯のタレを見てください。切ってしまった部分が、そのまま段差として表に響いてませんか?
他にも、いざ、仕立て直そうと思った時に短く切られすぎていて縫い代がないなどの不都合が起きます。

 

悪魔に魂を売り渡した魔の三段縫い

帯のミシン仕立てと手縫い仕立てのページで最後の方をご覧ください。

 

九寸名古屋帯

脇縫いの間隔

名古屋帯をお持ちの方は、脇の縫製を見てみてください。
帯芯が覗けてしまうほど、縫製間隔が広いものがありませんか?
縫製間隔が広すぎる場合、着用時にお太鼓を脇から見た場合に、格好悪い事になります。

 

生地の対比

名古屋帯の仕立てで私が一番難しいと感じたのは、生地に無理をかけず自然に添わせるように縫うという点です。
名古屋帯は薄い生地が多いので、手を抜くと、すぐ表面に出てしまいます。
縫ったことのある者ならば分かる「ああ、ちょっとズレちゃったけど無理矢理、糸をひっぱって誤魔化しちゃえ」というヤツです。
一部分にシワが目立ったり、妙に立体感があってボコボコしてたりする仕立てはコレです。
対比を無視してグイグイ引っ張って仕立てるならば、手縫いでも1時間もかかりませんので安くつきます。

 

まとめ

目的に合わせて選ぶ

形見のような大事な商品な帯は、良い仕立てにする。セールで手に入れた安い帯は、安い仕立でいいやというのも有りだと思います。
大抵のお店では「これ大事な帯だから仕立て丁寧にお願いします」と言えば、お抱えの仕立て屋の中から品質重視のところを選んで出してくれます。
逆に「形になってれば良い。細かい事言わないから安くして」というのもお店によっては融通つけてくれると思います。

 

高いから良い仕立てとは限らないが、激安で良い仕立てはない

きもので海外縫製はありますが、帯に海外縫製はありません。輸送コストなどから採算が合わないそうです。
送料込で1500円の芯入れ本仕立ては、日本人が何分で仕立てれば採算が合うのでしょうか?帯芯の縫製に割り振れる時間は何分でしょうか?

 

芯付けをやめた帯の仕立て屋

 

信用

安心を買うという考え方は、大事な帯を預ける上で考慮すべき点です。
運送屋さんでも保険かけると高いです。仕立ても同じです。