帯芯の種類

帯芯の選び方が分からない方へ、色々な帯芯の使い道などを解説します。

帯芯の品質と価格の関係が知りたい方は、こちら。

綿芯

最もスタンダードな帯芯です。価格も安く機能的。全ての帯に綿芯だけで対応してもOKです。

 

 

絹芯

絹芯は必要だと思いますか?

たまーに、その存在意義が議論となる帯芯です。上の円グラフは、単なる私個人の友人知人、関係者の分布イメージです。何事でも同じですが多数派だから正しいわけではありません。絹芯を使われる方は、帯芯や仕立て上がりの帯の風合いにこだわりを持つマニアな方が多いので、自然と少数派になります。

メリット1 軽い

日々、着物を着て生活されてる方、年配の方などに大きなメリットと感じてもらえる時があります。

 

メリット2 しなやか

帯の風合いに関わる要素です。といっても、正直、私にはあまり違いが分かりません。

 

デメリット1 高い(織物の絹芯の場合)

絹の割合によって価格は変わります。経糸のみ絹などの場合は安めです。不織の絹芯の場合は、綿芯の普通ランクと同じ価格帯です。

 

デメリット2 コシがない

帯をシャッキリ、パシっとさせたいという目的には不向き。

 

その他の役割 こだわり

絹の帯には絹の芯を入れたいという「こだわり」が満たせます。

 

 

絹の不織芯

大半の帯芯は織られて作られていますが、絹の不織芯はその名のとおり織物ではありません。使い物にならない絹成分な物体を樹脂で固めたものです。

メリット1 安い

絹といえども、原材料がアレなので安いです。

 

メリット2 ふわりとした独特の風合い

この理由故に、仕立て上がりの帯、もしくは、帯芯が縫製された状態で売られている帯の多くに使われています。特に染め帯に多いです。

 

デメリット1 弱い もろい

呉服業界に、それを裏付けるデータは全くありませんが、帯芯を縫製した糸のところで芯が破けている現象を何度も見ています。お客様の手に渡る着用前の段階で破けているわけですから、かなりの弱さです。全ての不織芯が、ここまで弱いわけではないですが、見た目での品質判断が最も難しい帯芯です。

 

デメリット2 時間がたつと劣化が激しい

某企業で大量回収となった絹の不織芯があります。

 

 

起毛芯

塩瀬や染め帯のように、帯と帯芯がすべって添わない、パカパカになる感じを防ぐ為に存在します。激安の帯芯を除き、帯芯には大なり小なり起毛加工がされているものですが、特に「起毛芯」と名付けられている帯芯は、すべらない事に特化された帯芯です。だからといって、まったく滑らなくなるわけではありません。

メリット

すべりにくいので、帯と帯芯が添いやすくなる。

 

デメリット

厚いものが多く、ごつすぎて嫌という方も多いです。たらっと、やわらかい感じで結びたい方には不向きです。

 

 

すべりにくい帯芯の仲間

毛芯

通常の起毛芯とは摩擦力のケタが違います。しかし、凄く分厚いので使いどころを見極めなければいけません。当社では、帯芯マニアの中のマニアなお客様のみに売れています。

 

真綿引き帯芯

昔はよく使われていた帯芯ですが、最近は滅多に見ません。摩擦力は毛芯に勝るとも劣らずです。

 

 

夏芯

夏帯用に作られた帯芯です。絽のようなタイプ、メッシュ状のタイプなどがあります。

 

よくある質問 「夏帯には夏芯を入れた方が良いのですか?」

夏帯に入れる為だけに存在する夏芯を「いいえ」と言うわけにはいきません。が、入れなくても何の問題もありません。

 

よくある質問 「涼しいのですか?」

理論的には涼しいはずですが、体感で「やっぱり夏芯は涼しいわね~」という報告はありません。多くを期待しないでください。

 

たまーにある質問 「カラーの夏芯はないの?」

ほぼ絶滅した帯芯です。どうしても欲しいというお客様に備えて当社で作ってます。

 

最大のメリットは、涼しげな見た目

涼しくなるのではなく、涼しげに見えるという事です。せっかく涼しげに見える夏の装いなのですから、政治や宗教上の理由がなければ夏芯を勧めします。

 

 

カラー帯芯

色がついている帯芯です。夏帯など帯芯が表から見えるタイプの帯に使います。ゴールドとシルバーの帯芯が最近人気ですが、この2色にはすべりやすいというデメリットがあるので、帯を選んで使ってください。

カラー芯の使い方を詳しく知りたい方は、こちら。

 

袋帯用、九寸名古屋帯用などと書かれた帯芯について

上記のような表記は、メーカーもしくは販売店が、消費者に分かりやすくする為に便宜上つけているだけの表示であって、九寸名古屋帯用だから、九寸名古屋帯にしか使えないというものではありません。別に、それぞれ特殊な製造工程があるわけでもありません。しかし、特に強い希望がないならば、ラベルの表記に従って使って頂ければ無難だと思います。袋帯用と九寸名古屋帯用では、主に生地の厚みが違います。

 

帯芯における単糸と双糸の違い

双糸とは、2本以上の糸を撚り合わせた糸の事で、単糸の帯芯に比べて、軽く、腰があり、強度が増し、縮みが少なく、しなやかと言われています。しかし、単糸と双糸の着用感の違いを述べられる人は、あまりいません。

例えば強度。強度が増しているといっても、単糸の強度で普通は困る事はないので、着物姿で相撲をしようとか考えない限りメリットを感じる事はありません。
そして縮み。単糸の帯芯でも密度が一定以上あれば大きく縮む事はないので、双糸ならではのメリットとは言いにくいです。

ただ、分かる人には分かる良さというものもあります。(恥ずかしながら、普段、着物を着ない私にはあまり分かりません)
それは「しなやかさ」です。時々「この帯芯、紙みたいにパキパキして嫌だから替えて欲しい」というお客様がおられます。
こういう時は双糸の帯芯か絹芯の出番です。双糸の帯芯は複数の糸が撚ってある為にパキパキと折れにくいと言われています。

 

帯芯を他のもので代用する事は出来ますか?

洋裁用の接着芯が、よく使われます

代用というよりは、素材によっては接着芯の方が綺麗に仕立てあがる場合もあります。しかし、生地との相性が悪いと、時間がたつと剥がれてくる場合もあります。手芸屋さんなどで売っています。

仕立て人生で最もビックリした帯芯の代用品

袋帯の中に、帯芯がわりに袋帯が使われていた事があります。凄く難しい技なので一般の方は真似しないでください。

帯芯の代用として袋帯!?

価格を理由に代用品を探すのであれば、安物の帯芯の方が安い。

ネットで1000円以下レベルの帯芯であれば、西陣では、もう少し安くなっているところもチラホラあります。
パンツ生地などと言われ馬鹿にされがちな激安芯ですが、腐っても帯芯、腐りきっても帯芯ですから、変な布を入れるよりはマシだと思います。(大事な帯には、ちゃんとした芯をお勧めします)