実は業界人でも間違える、帯の種類の見分け方と周辺の知識。

帯の種類は形や帯幅ではなく反物で見分ける

帯の種類や名称は、情報量は少ないのですが、大変紛らわしく間違いやすいものです。

このページは、帯の種類と見分け方を写真と図解で説明していきます。

 

二重太鼓用の帯の種類

袋帯とは

袋帯の写真袋帯の構造

  • 表の生地と、裏の生地が分かれている
  • 二重太鼓を結べる長さである

格式 フォーマル~カジュアル

古い本には「礼装用」とされている袋帯ですが、今ではフォーマル、セミフォーマル、カジュアル、カジュアルすぎるものまで何でもあります。

市場にある99%の二重太鼓用の帯は袋帯です。

昔は、この形状の帯を「縫い袋」と呼び「本袋帯」と区別していましたが、今では、こちらの方がスタンダードになってしまいシンプルに「袋帯」と呼ばれています。

 

丸帯とは

丸帯の仕立て前の写真画像

丸帯の仕立て前の写真です。


丸帯の仕立てで半分に折る位置

点線の部分を半分に折って仕立てます

丸帯の構造
  • 上の写真と図のように、表地と裏地が一枚の生地として織られており、半分に折って仕立てる

格式 フォーマル~カジュアル

フォーマルのみかと思いきや、カジュアルな帯もあります。

舞妓さんの帯がコレ。あとは花嫁さん。

重いので帯芯を抜いて仕立て直す方が増えています。昔は、重ければ重いほど良い帯という価値基準がありました。

 

本袋帯とは

本袋の構造

  • 表地と裏地が筒状に一つに織られている

格式 フォーマル~カジュアル

フォーマルはもちろん、昔から「洒落袋」と呼ばれているものや 最近でも帯メーカーの企画ものでカジュアル路線なものもあります。

存在意義が微妙な種類の帯

昔は、袋帯と言えば このように輪で織られるのが普通でしたが、製造効率からしても、完成後のクオリティーにしても、表地と裏地が分離したタイプの方が勝っている為、今では絶滅寸前の帯である。

 

 

一重太鼓用の帯の種類

九寸名古屋帯とは

九寸名古屋帯の写真九寸名古屋帯の構造

  • 上図のように、表地と裏地が一つに織られている
  • 仕立て前の生地幅が35cm前後
  • 裏地部分の長さが120cm前後

格式 フォーマル~カジュアルまで

フォーマルの筆頭は喪服用の帯で「不幸が重ならないように」という意味で一重太鼓である名古屋帯が一番出回ってます。

付け下げや色無地などに合わせる事も多いです。

 

一重太鼓用では一番使いやすい帯

「胴に巻く部分を半分に折って仕立ててあるから名古屋帯」という認識は間違いですが、半分に折って仕立てる前提で作られているので、その仕立て方(名古屋仕立てという)との相性も良い。

裏地が短いのはその為であり、半分に折る部分が軽く、かさばらない。(お太鼓部分までしか裏地がない)

 

八寸袋名古屋帯とは

八寸袋名古屋帯の写真八寸袋名古屋帯の構造

  • 上図のように 表地と裏地が一つに織られている
  • 仕立て前の生地幅が30cm前後
  • 裏地部分の長さが120cm前後

格式 カジュアル~フォーマル

カジュアルだけのように思われがちですが、綴れ帯は留袖にも合わせられるドフォーマルな帯です。

九寸名古屋帯と間違えやすい

手先部分だけを半分に折って仕立ててあるから八寸袋名古屋帯という認識は間違い。

手先だけを半分に折った仕立を松葉仕立てといいます。しかし、松葉仕立てだからといって、八寸袋名古屋帯とは限りません。

詳しく知りたい方は、宜しければ以下のページもご覧ください。

九寸名古屋帯と八寸袋名古屋帯との違いについて

名古屋仕立て、松葉仕立、開き仕立てなど分かりにくい仕立種類について

 

実は、八寸袋名古屋帯なんてフルネーム呼ばわりしているのは当社を含め、ごく一部だけ。

認識違いによる事故を防ぐため、念を入れた呼び方をしていますが、多くは「八寸帯」「袋名古屋帯」「八寸名古屋帯」「かがり帯」という呼び名が使われています。

さら じゃあ、「八寸袋名古屋かがり帯」と呼ぶべきじゃないですか?
黄金仕立士ごんちんアイコン ・・・・

 

京袋帯とは

袋帯の構造

  • 表の生地と、裏の生地が分かれている
  • 一重太鼓を結べる長さである

格式 カジュアル

フォーマルな京袋帯は今のところ見たことがありません。

構造は袋帯と全く一緒。

袋帯は二重太鼓で、京袋帯は一重太鼓用。その分、長さが短い。

時々、八寸袋名古屋帯と同じ帯として扱われる方もいますが、仕立屋としては構造が全然違うので困ります。(小売業に多い)

 

 

お太鼓結びをしない帯の種類

半幅帯とは

半巾帯の写真

  • 帯幅が袋帯などの半分ぐらい

格式

カジュアル。小紋のような普段きものや浴衣などで使われます。

構造は色々。

袋帯のような表と裏が分かれている帯、丸帯のような帯、本袋帯のように筒状の帯。どれも幅が半分だったら半幅帯。

 

角帯とは

角帯の写真

  • 半幅帯よりもさらに狭い

格式 フォーマル~カジュアル

というより、男性用の帯は これか兵児帯しかない。

男性は、浴衣もコレ。袴を着る時もコレ。

 

兵児帯(へこおび)とは

兵児帯の写真

  • へにゃへにゃ、ふわふわな素材の帯です

上の写真は小さな女の子用ですが、大人女子にも似合うデザインの帯や男性用の帯もあり、半幅帯と合わせて使うなど用途も多彩です。

 

 

と、一通り説明を終えた所でー

下の写真の帯は、なんという種類の帯でしょう?

この帯は、何という種類の帯でしょう?

胴を半分に折ってあるから九寸名古屋帯

ごんちん、甘いね

 

ぶぶーーー !!

 

NOニャーモフ

 

正解は、胴回りを半分に折っただけの袋帯でした。

さら 「嫌がらせじゃないですか!」
黄金仕立士ごんちんアイコン 「違いますよ。ちゃんと、この記事を読んでないでしょう?」

 

仕立てあがった時の形や帯幅は「仕立て方の種類」であって「帯の種類」ではありません。

九寸名古屋帯は、胴回りを半分に折って仕立てる事が多いというだけの事。

  • 最近は、九寸名古屋帯を半分に折らずに開いたまま仕立てる方も多いです
  • 八寸袋名古屋帯を胴を半分に折って仕立る方もいます。
  • 凄くレアな需要ですが、袋帯の胴に巻く部分を半分に折って仕立てる方もおられます。

つまり、どういう仕立て方をしようと、帯幅をいくつにしようと袋帯は袋帯、九寸名古屋帯は九寸名古屋帯です。

※ 切ったり繋いだりした場合は別ですが

 

帯の種類(形状別)による格式分けについて

この記事では大半の種類の帯に「フォーマル~カジュアルまで」と記載されてるのを見て、「意味ないじゃん」と思われた方もおられると思います。

着物業界が衰退を始めて以後、業界も新しいマーケットを作らねばと手を替え品を替え、色々な帯が市場に送り込みました。

それにより、帯の種類にそったフォーマルだのカジュアルだのという分類は意味をなさなくなってます。二重太鼓用か一重太鼓用かという点が重要で、後は素材、色柄の雰囲気で決まります。

といいつつ、一重太鼓の帯も、二重太鼓に見える比翼仕立てにすれば二重太鼓の帯として使えますから、話がややこしい事に・・・

 

 

以上、帯の種類とその名前、見分け方の記事でした。